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甲州弁のブログ
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さて。
ingen
あんたんとうのええのほうじゃあ、こののことォなんちゅうだ?

うんざあんええの方じゃあ、「くいっこなりっこ」っちゅーさ。
あ、ほうだ。
「十六豆」とも言うよ。

ああぁ? 十六茶じゃあねえよ、十六豆だっちゅーことォ。

ほれにしても、「くいっこなりっこ」ちゅうは、よく言ったもんだわな。
ふんだって、ふんとうにたちまちデッカくなって、はんで食わんとえらくこわくなっちまって
としょーりにゃー歯がたたんだよ。

ふんだから、めた野良へ行っちゃあ採ってくるさ。
ほの名前の通り、ほれこさ「くいっこなりっこ」じゃん。
じぶんもほう思わんけ?


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数年前、カントリー雑貨や家具に凝って…

清里清泉寮で定期的に開かれている手作り家具&ステンシル教室に行った。
家具職人のご主人とステンシルの先生の奥様が主催するこの教室には
全国からカントリー好きが集まる。

第一回目はテッシュケースで、先生が型紙を作ってくださったのだが
二度目は一泊二日で、作品はダストボックス。

この時は自分で型紙を切り抜かなければならない。
図案をトレーシングして工芸用のカッターで切り抜くのだが
これが大変、非常に、まったく面倒なのだ!

で、細かい事が大の苦手のワタクシ、思わず出た言葉が
「あ〜あ!ごっちょうだ!!」

先生は甲州人なので、すぐに、「○山さん、がんばって」とか言ってくださったけれど、
同じ机で作業をしていた方たちは一瞬キョトン。

「ごっちょう」「ごっちょ」は甲州独特の言葉です。
何となくニュアンスが分かりますか?
そう、「面倒」って意味ですね。

「いいじゃん、ほんねん、ごっちょうしちょし」(いいじゃないの、そんなに面倒な事しなくても)とか「てっ!ごっちょうだったね〜。お疲れさんでごんした」(あら、面倒かけたわね〜。お疲れさまでした)とか使います。

でも、今はあまり使わないかなー。
わたしは、周りの県外出身者がキャーキャー言って喜ぶので
たまにこういう死語に近い言葉も使ってるんです。
「ごっちょ」だけんど、リアクションが面白くてね。ふふん。
デザイナーとかコピーライターとか、呼び名はかっこいい横文字Jobではあるが

わたしの知ってる限りでは、ほとんどの方が全くかっこよくない。
(あ、失礼。もちろん例外の方もいらっしゃいますよ。)

すでに20年来のつきあいになるデザイナーの友人は、
見かけは背が高くて、流行のファッションをさりげなく着こなして実にカッコいい。

しか〜し、決定的な落とし穴がある。
いつでも、甲州弁丸出しなんである。

1.「ちょいと、”じぶん”。今どうしてるだ〜?仕事やってるだけ?」
2.「”じぶん”はいいじゃん。あたしんとうなんか、へえ、いっさら仕事がねーだ。」
3.「てっ、ちっともかあらんね〜、”じぶん”は〜!」
4.「え〜?この車“じぶん”の〜け〜?あの赤い車はどうしちまっただ〜?」

こんな具合。
じぶん、じぶんと連発する彼女、自分自身のこと言ってるんじゃないのです。
これがまた、県外の人を困惑させる甲州弁。
“じぶん”は自分自身のことでもあり、“あなた”のことでもあるわけでして。
例えば
「じぶん、じぶんのことは自分でしろし。おらあじぶんのこんで手一杯で、じぶんのこんなん、ええしらっちゃーいられんわ」
みたいな訳の分かんない、とてもややこしいことになるわけで。

じぶんがじぶんであなたもじぶん、あなたはじぶんでじぶんもじぶん・・・・・・・
はーこりゃ・・・・・・混乱しますよね。
慣れればどっちゅことないだけんどね。

で、翻訳です。
1.「ちょっと、あなた。今どうしてるの〜?仕事しているの?」
2.「あなたはいいじゃないの。あたしたちなんか、もう、全然仕事がないわ。」
3.「あら、少しも変わらないわね、”あなたは〜!」
4.「え〜?この車あなたのなの?あの赤い車はどうしちゃったの?」

「あなた、自分のことは自分でなさい。わたしは自分自身のことで手一杯で、あなたのことなんか、かまっていられないわ」


否定されてんのか肯定されてんのか、ちっとも理解できないと言われるのがこの接尾語。

そうでしょう、そうでしょう。
他県の方には到底理解できない奥深い甲州弁の世界。

昨日も、静岡出身と長野出身の友人と話したら
「みちょし、やっちょし、くっちょし」とか言われてもちっとも分からないそうだ。
隣県ですぞ、境を接する。
それなのに理解できない言葉が多いそうだ。
その中でも、この「〜しちょ」「〜しちょし」は否定か肯定か分からないので
嫁いで来たときに困ったという。

それに、とても強い言葉に聞こえるので、恐ささえ感じるそうだ。

そうか〜!
わたしたちは何も考えないで使ってるけど、
他県から来た嫁さんたちは苦労したんだなー。
「〜やっちょば」は「やらないほうがいいんじゃない?」
「しちょし」というのは「しないでね」(〜しが付くと女性言葉になります)


あ、それから「ちょびちょび」も何のことか分からないそうで。
「ちょびちょびしてるヤツ」のことを「ちょび」とも言いますがね。
これは、「ふざけてる」とか「いい気になってる」「出しゃばる」みたいな意味があります。

ということで、ある日のお茶の時間に桃畑での会話
近所の農家の主婦その一「やーじゃんねー、あのえの嫁さんは〜。あんねんちょびちょびしちょばいいじゃんね」。
近所の農家の主婦その二「でっ!あんたもほんなこと言っちょし。あの嫁はち〜っとちょびでもずくはあるっちゅこんだよ。せんころ、区長んとこのおかっさんがのほう褒めてただよ」

翻訳はこちら



この間ちょっとお上りさんして

頭の中はすっかり都会人モードだったので、甲州弁カテゴリへのカキコが滞っておりました。
そこで、今日は従妹のところへトマト買いに行って、思いっきりベタな甲州弁でくっちゃべくって参りました。 あー、すっきりした!
←家に帰ってくるなり一個丸かじりしたら、ほんとにおいしかった〜!

で、今日の会話。

わたし「てっ!美○起ちゃんてば、バイクに乗ってるだけ〜!」
従妹「ほうだよ。これが一番ごっちょうないじゃん。ふんだけんど、ほれ、ほこいらじゅうぶっつけちまってるだよ。」
わたし「ほうだね〜。運転にゃぁ気をつけろし。だっちもねーしがえらくいるだから」
従妹「まったくやーじゃんね。」
わたし「ほういえば、子供んとうは元気け〜?」
従妹「元気さよ〜!けん○なんかあたしよりこんねんでっかくなっちまったじゃん。顔もちっとちっくくなっただよ」
わたし「あれ、ほうけ〜?あたしなんか、このくれ〜ちっくい頃しかおべ〜ちゃーいんから、今、けん○に会ってもわからんらね〜。」

あら、こうやって入力してみるとすごい・・・・・・。
県外の方、通じますか?
翻訳できたら、あなたは立派な甲州人です。(爆)

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